「この銅像ください。どうぞー」

ダジャレ

「この銅像ください。どうぞー」

「この銅像ください。どうぞー」は、日本語のダジャレのなかでも特に“音”による偶然と、“意味”による噛み合わなさが絶妙に絡み合った、「テンポ系ボケ」の傑作です。一見ただのやり取りに見えるセリフの中に、言葉のズレ・タイミング・シュールさが潜んでいて、聞いた人をジワジワと笑わせる魔力を持っています。


■ 同音異義+会話構造の妙

このダジャレのキモは、「銅像(どうぞう)」と「どうぞー」の発音が完全に一致していることにあります。

  • 「銅像(どうぞう)」=金属で作られた像。芸術・歴史・記念の対象
  • 「どうぞー」=相手に何かを差し出すときの軽い許可・譲渡の言葉

つまり、全く異なる意味を持つ言葉が、“同じ音”で文脈に現れることによって、聞き手の脳が一瞬「ん?」「どういう意味?」と混乱する。そこに気づいて「なるほど、ダジャレか!」と腑に落ちる瞬間の“ひらめき”が、笑いを生み出す源なのです。


■ ズレたやり取りが持つ“コント的な面白さ”

このダジャレは、ふたりの人物のやり取りとして再現するとより効果を発揮します。
A:「この銅像ください」
B:「どうぞー」

いかにも自然なやり取りのように見えますが、実は「銅像」と「どうぞ」が音で混ざっているという点に気づくと、一気にボケとツッコミが浮かび上がる。このような、**“すれ違いの会話”に潜む言葉遊び”**は、古典的なコントや落語でも多用される笑いのテクニックです。


■ 言葉の音だけで展開される知的ユーモア

このダジャレには難しい語彙も表現も必要ありません。たった二語の繰り返しで、意味とリズムのズレを生み出している。これはまさに**“音だけで笑わせる高度な芸”**です。特に子どもにとっては、「同じ音なのに意味が違う言葉」があることを知る、ことばへの興味を高める入り口になります。


■ シュールさと無駄のなさが魅力

さらに、「この銅像ください。どうぞー」は、オチが早い・無駄がない・じわじわ来るという三拍子が揃っており、SNSや日常会話でも使いやすい一発ネタです。真面目な場面に突然差し込むと、「そこダジャレかい!」というツッコミも誘いやすく、**空気をゆるめる“笑いの潤滑油”**としても使えます。


✅ 結論:

「この銅像ください。どうぞー」は、音の一致・意味の違い・会話のズレを駆使した、言葉遊びの中でも完成度の高い“聞き間違え系ダジャレ”です。
短いながらも、知的でシュール、どこか品のあるおかしみが詰まった一言。
まさに、“日本語っておもしろい”を体感できるフレーズです。